退院しました

店主、退院しました。
お客様から温かい励ましのお言葉を頂き、感謝申し上げます。
目に見える大きな後遺症は無く、普通に話ができ、歩けます。
しかし退院したとは言え、脳幹部出血を発症したため無理は出来ません。
また、車の運転は公安委員会の適性検査等の手続に合格しないと運転できない状態です。
そのため配達は出来ず、今後も “店頭販売” と “遠方の方への宅配便発送” で営業を続けさせて頂きます。
尚、白米・玄米の他に “分搗き米” の承りが可能となります。
お客様にはご迷惑お掛けしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

令和4年産 提携米 『新米の入荷日 と 価格』

今年の天候は猛暑に加え台風など雨が多く「提携米」の生育が心配されましたが大きな被害は無く、収穫の時期を迎える事ができました。
反面、ウクライナ侵攻や円高により食料品の高騰が続いている中、お客様において一番気になるのは今年のお米の価格です。
当店では、持続可能なお米の生産・供給を図るため、市場価格による決め方では無く、『農家さんがこれからも作り続けることが出来る価格(再生産可能な価格)』を毎年確認して決めています。
肥料・燃油など農業資材も高騰してますが、4年産への影響は少なく、影響が大きく出るのはこれから準備し来年使用する5年産のお米であるという事なので、4年産の価格は『据え置き』となりました。

入荷予定日

10月 7日  ‥‥ 富山・林さんのお米「富富富(ふふふ)」
  〃〃〃   ‥‥ 新潟・丸山さんのお米「コシヒカリ」
10月20日頃 ‥‥ 山形・南陽おいしいお米の会さん「つや姫」
  〃〃〃   ‥‥   〃〃     〃〃    「ひとめぼれ」
  〃〃〃   ‥‥ 福島・あいづ農園さんのお米「コシヒカリ」 
11月 8日  ‥‥ 福島・大竹さんのお米「JAS有機米 コシヒカリ」
11月10日頃 ‥‥ 埼玉・鴻巣 特別栽培米部会さん「彩のかがやき」
  

イネの生育 と 気温 ≪令和4年版≫

2022年(令和4)、気温(気象)のデータ収集を始めました。 この収集は米騒動が起きた平成5年以降から行っている私独自の<自己流チェック法>です。「お米の収穫に影響を及ぼす気温」について少し専門的になりますが、イネの生育ステージ の説明を交えながら、お米の収穫の判断目安としているチェック事項を公開します。   

平均気温(平年値)との差を比較する

イネは低温に弱く、長く続くと不稔モミ(実がならない)が発生します。逆に、高温の日が長く続くと白未熟粒(お米の一部が白くなる)が発生し易くなります。 

私はこの危険を早期に察するために、毎日の最高気温と最低気温において平年値との差を比較し、写真のように一定以上の気温差がある時に目視で分かるよう色塗りし、危険となる事象を察する資料データとしています。

  平年との差が +4℃以上は ピンク色

  平年との差が ー4℃~ ー4.9℃は 黄色

  平年との差が ー5℃以下は 水色

 【補足】 一番右列の水色は「雨」をチェック

気温データの利用法  チェック事項は?

(1) 低温

① 田植え後 5月中・下旬の 「活着期」 と 「分げつ期」

低温・日照不足が続くと、茎が細く軟弱になり、倒伏し易くなる。

② 7月上・中旬の 「幼穂形成始期・えい花分化期・幼穂形成期・減数分裂期」

この期間は “お米の赤ちゃん” が育つ大事な時期なので、低温に最も弱い時期です。平均気温が20度以下、また夜温(最低気温)で16度以下の日が長く続くと、不完全なえい花や 花粉の奇形が発生し、不稔になります。

③ 8月上旬の 「出穂・開花期」

この期間も平均気温が20度以下、夜温で16度以下の低温日が長く続くと、花粉管の伸長が 停止し、花粉は受精能力を失うため、不稔モミ(実が入らない)が多く発生します。    

【低温が続く時の一般的対策】

イネの幼穂を保護する為に、田んぼの水を深くする「深水管理」をします。

深水の目安は、幼穂形成期(出穂前20~25日)で10cm以上。                      減数分裂期(出穂前8~15日)で15~20cm以上と言われています。  

(2) 高温(猛暑)

お米は亜熱帯性の植物ですので暑さには強いですが、近年のような猛暑には影響が出ます。

出穂後20日間の最高気温が平均31~32度以上、また同期間の最低気温(夜温)が平均23~24度以上になると、白未熟粒(お米の一部が白くなる)や胴割粒が発生し易くなります。                                   白未熟粒となったお米の味は変わりませんが、大量に発生すると規格外というお米になり、 農家さんの収入が大きく減少します。

高温障害への対策

水稲や果樹・野菜・花き・乳用牛など、日本の農業生産現場に地球温暖化の影響と見られる 高温障害の発生リスクが高まっています。

水稲(お米)では、白未熟粒や粒の充実不足、そして胴割粒などです。これらの対応策として国内では、高温に強い「高温耐性品種」の研究・開発が進められ、現在では各県で育種され、ブランド米として流通・販売されています。 

戸辺米穀店で取扱う “ 高温耐性品種 ” の提携米は2品種、山形・南陽おいしいお米の会さんの「つや姫」と 富山・林さんの「富富富 (ふふふ) 」です。今後はさらに地球温暖化がもたらす影響を見据え、新たな高温耐性品種米をご案内できるよう準備を進めています。

(3) 台風

9月は台風の時期ですので、発生したら台風情報を収集して進路等を注意します。

自然の力には逆らえないですが、田んぼが冠水したり、稲が倒れるなどの被害に遭うと品質や収量に影響が出てしまいます。                            また、病気の発生が懸念されます。

おまけ

専門用語が並びますが、田植え ~ 収穫までの期間をイネの生育に沿いながら、その生育過程を説明させて頂きます。(事例は、関東甲信越・南東北)

イネの生育ステージ

育苗期     

4月上旬~   苗代期 ‥‥ 種籾を発芽させ、苗床に播種して苗づくりをする期間。

分げつ伸長期

5月上旬~   田植え    

5月中旬~   活着期 ‥‥ 田植え後、苗が根付くまでの期間

5月下旬~  分げつ期 ‥‥ 草丈を伸ばし茎数を増やす期間(木でいう、枝分かれの事)

穂づくり期

6月末 ~  幼穂形成始期 ‥ 茎の生長点に穂の基になる幼穂(1mm位)が作られる期間

7月上旬 ~  えい花分化期 ‥ 枝梗の先にイネの花のつぼみが出来る期間。

               えい花とはイネの花のことで、それが一粒一粒の籾になる。 

7月中旬 ~   幼穂形成期 ‥ 幼穂が5mm位になると形成期と言う。(出穂18日前)

        減数分裂期 ‥ 染色体の数が半分になる細胞分裂期のこと。

               花粉などの生殖細胞が作られる。(出穂12日前)

7月下旬 ~  穂ばらみ期 ‥ 幼穂が徐々に大きくなる期間。(出穂6日前)

結 実 期

「お米の花」 (出穂・開花)
雄しべ6本、(中央に)雌しべ

8月上旬 ~ 出穂・開花期 ‥ 穂が出て、お米の花が咲く時期(開花の適温は30度)

8月中旬 ~    乳熟期 ‥ モミの中に乳状の実が入る時期

9月上旬 ~ 黄熟・完熟期 ‥ 実が熟してきて重くなり、黄金色に稲穂が垂れる時期

9月下旬 ~    成熟期 ‥ 稲刈り(収穫)

【適期刈取日の目安】

玄米の光沢を良くし、品質を高めるためには適期に刈り取ることが重要なのですが、農家さんは何を目安にして稲刈りを始めるのでしょうか。経験からと言うのもあるでしょうが、以下の3点を目安にしている様です。 

① 出穂してから     40 ~ 50日後

② 出穂後の積算温度  950 ~ 1100度

③ 稲の葉色を見る   色落ちしたら (濃い緑 ➜ うす緑になる) 

収穫を待つ稲穂
稲刈り

★★☆☆

長い説明になりましたが、最後までお読み下さり有り難うございます。

私たちの食卓に上がる “美味しい農産物” の背景には「自然を相手に頑張っている農家さんがいる」、という事に気が付いて下されば幸いです。                    そして今後、国内の生産者を応援して下さると、より嬉しく思います。

尚、本文は、2019年7月19日に投稿したコラム “イネの生育と気温(気象)との関係” の内容をより判り易くし、理解して頂くために再編集いたしました。

 

戸辺米穀店のお米はなぜ高いのか?

当店で取り扱っているお米は、スーパーやコンビニで売っているお米よりも高いです。
これは私がお店を継いだ頃から変わらず、これが理由で離れてしまうお客様も少なくはありません。
だからと言って、当店が過剰にお金儲けをしている訳ではないので、今日はその理由についてお話しさせて下さい。

お米の価格の話をする前に、”提携米” の理由から。

 当店では、特定の農家さんから直接お米を購入する ”提携米” にて商品をご案内しています。
提携米で取り扱うには2つの理由があります。

  1. 「作る人が分かり、その家族も食べてるお米を年間契約する」であり、
     安全・安心なお米を提供すること
  2. 農家さんが生活できる価格でお米を買い支えること
    = 「再生産可能な価格」で 農と食を支える応援団 となること
    = 安定生産・安定供給が図れることに繋がる

この再生産可能な価格というのが、当店のお米の価格が高い1番の理由になっています。

当店の価格の決め方

当店の価格の決め方は、市場原理に任せて相場のように変動する価格の決め方ではなく、農家さんの暮らしが成り立ち、来年も再来年も作り続けられ頑張ることが出来る価格、つまり 前述の『再生産可能な価格』 が最良の方法であることを確認し合い農家さんと話し合って決めてきました。
それを初めて提案した1996年から模索し続け、約18年の歳月を経た2014年を境に双方合意のもとで再生産可能な価格が決まり固定されました。 その価格はJA(農協)や集荷業者が買い取る価格よりも高くなります。
逆を言うと、市場原理で決まっている価格は「農家の生産費を無視した価格」になっていると言うことです。

私はこの取り組みの前までは何気なく、農家さんはお米・野菜などの農作物を作る “生産工場者” のように機械的に見ていた所が無意識にあったように思います。
そこで、生産者の立場を理解するために、コメ作りを体験したり、畑を借りて野菜作りを行ないながら農業の実情話を伺い、農と食の大切さを学びました。
農業の現場には私たちと同じ様に家族がいて一緒に生活している農家さんが居て、家族総出で農作物の生産に励んでいることに遅ればせながら気が付かされました。

そしてこうした経験からの考え方が、当店の経営理念にある

 “お米が結ぶ心のきずなを大切に” をモットーに、“農と食を支える応援団”となって都会の皆様と一緒に農家さんを応援しています

に繋がっています。

話を本題に戻します。

お米の価格については今年も収穫の目安が立つ稲刈り時期前後に確認しますが、天候等の影響でよほどの凶作・豊作でなければ基本的にお米を作る費用は大きく変わりませんので、今年も同じ価格で買い支えます。
これからも皆様のご理解・ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。

招き猫 (完成)

先日から塗り直している招き猫が完成しました。
完成までの経緯を書かせていただきます。

ぶっつけ本番で色を塗っていくのは怖いので
次男の所の孫たち(長女 小2、次女 年長)に設計図をお願いした所、
下のような絵が出てきました。

どちらもキラキラした感じで困ってしまったので、私は尋ねました。
 私「どうして、この模様にしたの?」
 長女「ミケコが元気ないでしょ。だから元気になるようにミケコ柄にしたんだよ。
    ちなみに目は米屋だから米って漢字にしたんだ(笑)」

ミケコというのは家で飼っている19歳になるオカメ猫のことで、ここのところ夏バテ気味で食欲が減って急に元気がなくなっていたので、心配してとの事のようでした。

ミケコ
ちょび髭模様の顔に、お腹のハート柄がチャームポイント

米の漢字はともかく、ミケコの特徴であるオカメ猫柄やハート柄、
そして元気になってほしいという気持ちに賛成だったので
思い切って長女の案を採用する事にしました。

とは言っても塗装するのは次男にお任せで、
次男はというと夏休みの時間を使って孫と一緒に毎日少しづつ塗って完成くれました。 

完成した招き猫はこちら

ミケコ柄の招き猫が完成

私たち家族は見慣れた模様なので、すぐに愛着が湧き大成功。

数年前までは店先のショーウィンドウから表を眺めていたミケコ。
「動かないから招き猫みたいだね」なんて話していたことを思い出しました。

ただ、ミケコはというと、完成を迎える1日前に天国へ旅立って行きました。
一度も病気にかからず19歳は大往生だと思います。 
今までありがとう。天国で安らかに眠って下さい。

心配してくれていた孫たちは悲しんでいましたが、
ミケコ柄の招き猫を自分たちで完成させたので気が紛れているようです。
そんな孫たちの姿に大人も助かっています。

ミケコ柄になった新しい招き猫はレジ奥の棚に鎮座しています。
来店の際には眺めてやって下さい。

息子からのプレゼント GridJapan に記事を書いていただきました

以前、ちいさな島 の永井聡史さんから GridJapan(仕事に情熱を燃やしてやり抜く人々の人生の1ページを映像と文章と写真で表現する肖像画サイト)の話を頂いたのですが 、“動画は苦手” だったので別の機会にと言ったまま時間が経っていました。 
今回、息子(次男)から”父の日のプレゼント”ということで改めて話をもらい、やってきたことを残す良い機会と捉えて記事にしていただく事にしました。

https://www.gritjapan.com/やり抜く人々/戸辺米穀店-店主-戸辺政光さん

米屋を継いだきっかけや、その当時に考え今に至る思いを恥ずかしながら語らせていただいています。 1人でも多くの方に興味を持っていただけたら幸いです。

招き猫 (下準備)

お店には結構大きい招き猫がいます。
レジの奥の高めの位置にいるので気がつかない方もいるかもしれません。
この招き猫の塗装は、長年の経時劣化で剥げてきてしまっていて、これでは可哀想と塗装をし直す事になった。

剥離剤で古い塗装を剥がした上に、下地の白を塗ったところまで進み、下準備が完了しました。
これでも十分にキレイになるものですね。

折角だからと孫たちが、招き猫の新しいデザインを検討中。
どうなることやら。。。。

イネの生育 と 気温(気象)との関係

冷夏なのだろうか?
令和になって2か月が過ぎた2019年7月中旬、気象庁は東北の太平洋側や関東各県で気温の低い状態が 7/20頃まで続くとして農作物の管理に注意を呼び掛けています。
また メディアは、20日連続して日照時間が少なく例年の 1/10だと各局が報道。
さらに、平成5年の冷夏の再来か?と賑やかになっている。

「今年、お米は大丈夫?」 
毎日流れるメディアの報道で、お客様からは心配の声が出てきましたので、
私が平成5年以降から行なってる簡単な《チェック法》を公開します。

誰にでも出来る、私のチェック法

① 先ず、以下の基礎知識を覚えて下さい。
  これが判断基準の重要事項となります。

5月に田植えをした東北・関東甲信越において、6月末~7月の「イネの生育ステージ (期間)」を専門用語で言うと「幼穂形成始期から減数分裂期」に該当します。

この期間は、イネの茎の生長点に穂の元となる幼穂 や 花粉が作られます。
つまり “お米の赤ちゃん” が育つ大事な時なので、低温にもっとも弱い時期となります。
平均気温が20℃以下、また夜温(最低気温)で17℃以下の日が続くと、「えい花」 や
「花粉」が障害を受けて不稔(実がならない)になります。
《 えい花 》とは イネの花のことで、それが「一粒一粒 の 籾(モミ)」になります。
と いう事で、これらの点をしっかり覚えておいて下さい。

尚、低温が続いた時の一般的な対策は、イネの幼穂を保護する為に田んぼの水を深くする
“深水管理” です。
深水の目安は、幼穂形成期(出穂前 20~25日)で10㎝以上。
減数分裂期(出穂前 8~15日)で15~20㎝以上と言われています。

② 私が行なっている “チェック法”

一般紙の新聞の社会面に全国のお天気が載っていますので、毎日切り抜きします。
私はこれをハガキ用のファイルに入れ、5~9月分を保存します。

右記は、
令和元年 7/6 ~ 7/13分のページ

左記は、令和元年 7月7日(七夕)の切り抜き。

私はこのお天気情報をそのままファイルに入れる
のでは無く、平年との気温差をチェックし、目視で見易くするため蛍光ペンで色付けしてからファイルに保存します。

平年との温度差の色分けは、最高気温・最低気温双方とも下記の通りです。

平年との差が  +4℃以上は ピンク色

平年との差が  -4℃ ~ -4.9℃は 黄色

平年との差が  -5℃以下は 水色

【補足】一番右列の水色は「雨」をチェックする

★☆ ここで一番の重要ポイントは、黄色・水色で色分けした温度 ☆★

何故なら、①で述べたように平均気温が20℃以下、夜温(最低気温)が17℃以下の日が長く続くと不稔(実がならない)となる恐れがあり、イネの生育に要注意となるからです。

③ 結論 ‥ 現時点 7/18 において、令和元年産のお米はどう判断すれば良いか?

色付けした黄色・水色の温度を詳しく見ると、平年より -5℃以下の日が多くあるけれど、その時の最高気温が20℃以下の日が数日間続く所は殆どありません。
また、提携生産者に天候や稲の様子を尋ねたり、生育チェックを兼ねて店の脇に設置した “ミニ田んぼ ”(本文初めの写真、7/20 現在の苗丈 90cm)などを加味して考えると、
「令和元年産のお米に関して、現時点においては冷夏の状況では無い」と思います。

但し、都心では20日連続で日照時間が3時間に満たない日が更新され、梅雨明けが遅れ、東日本を中心に続く今年の日照不足は初めての事象なので、お米への影響は予測がつきません。
なので、日照不足で生育が遅れて価格が高騰している野菜・果実同様、お米も自然相手で光合成により育つ作物なので、どんな品質で収穫されるのかという不安はあります。
けれど「出穂~開花~成熟へと進む お米の生育ステージ」は 未だこれからです。

農家さんと話をすると “お天道様次第” とよく聞かされますが、天候に恵まれることが何よりです。
異常気象と言われる今日、生・消ともに常に天候への注意を心掛けて行きましょう。

④ 今後の おコメ生育ステージ、そして注意点

田んぼに植えた “イネの苗” 。

7月下旬までは
「体をつくる “穂づくり期間” 」でしたが、

8月からは
「おコメの子孫をつくる “結実期” 」という
 生育ステージに入ります。

良い機会ですので、少し詳しく、またおコメに
影響する事項などを含め説明させて頂きます。
      (事例は、関東甲信越・南東北) 

7月下旬  穂ばらみ期‥‥ 幼穂が徐々に大きくなる期間 (出穂6日位前)  

8月上旬~  出穂期 ‥‥ 穂が出始める期間
 〃〃    開花期 ‥‥ 穂が出て、花が咲く期間 (開花の適温は30℃)

9月下旬~  成熟期 ‥‥ 稲刈り(収穫)

敵期刈取日の目安について

玄米の光沢を良くし、品質を高めるためには適期に刈り取ることが重要なのですが、
農家さんは何を目安にして稲刈りを始めるのでしょうか。
経験からと言うのもあるでしょうが、以下の3点を目安にしている様です。

          ①  出穂してから     40 ~ 50日後
          ②  出穂後の積算温度  950 ~ 1100度
          ③  稲の葉色を見る   色落したら


結実期の注意点

低温

お分かりの様に、8~9月は穂が出て花が咲きモミの中に実が入る時期(=結実期)です。
①と同じく低温に注意しなければなりません。
繰り返しますが、平均気温が20℃以下、夜温(最低気温)が17℃以下の日が続くと、 結実期では「不稔モミ」(モミの中に実が入らない)が多く発生します。

高温(猛暑)

もともと亜熱帯性の植物ですので、暑さには強いです。
しかし、昨年(平成30)のような猛暑となると影響がでます。

お米は出穂後20日間のあいだ長く高温に晒されると、白未熟粒(お米の一部が白くなる)が発生し易くなります。
白未熟粒の味は変わりませんが、大量に発生すると規格外というお米になり、農家の収入は大きく減ります。

台風

更に、9月は台風の時期ですので、発生したら台風情報を収集して注意します。
自然の力には逆らえないですが、田んぼが冠水したり、稲が倒れるなどがあると
品質や収量に影響が出てしまいます。
また、病気の発生が懸念されます。

★★☆☆
  最後までお読み下さり、ありがとうございました。
  長い説明になってしまいましたが、お役に立てましたでしょうか。

  そして、私たちの食卓に上る “美味しい農産物の背景” には、自然を相手に
  頑張っている “農家さんが居る” という事に気が付いて下されば幸いです。

  今後ともよろしくお願い致します。