令和 “ 初 ” の 『 出穂(しゅっすい) 』

令和 “ 初 ” の 出穂(稲の穂が出る)。

今朝(8/14)店を開けると、店舗脇に設置した 東京・亀戸のミニ田んぼ で「令和 “初” の出穂」を確認しました。

田植えの日(5/12)から数えて 95日目 。
例年とほぼ同じ時期の出穂でした。

まだ 1穂ですが、これから次々に穂が出て来て、その後「イネの花(小さな白い花)」が咲きます。

イネの生育 と 気温(気象)との関係

冷夏なのだろうか?
令和になって2か月が過ぎた2019年7月中旬、気象庁は東北の太平洋側や関東各県で気温の低い状態が 7/20頃まで続くとして農作物の管理に注意を呼び掛けています。
また メディアは、20日連続して日照時間が少なく例年の 1/10だと各局が報道。
さらに、平成5年の冷夏の再来か?と賑やかになっている。

「今年、お米は大丈夫?」 
毎日流れるメディアの報道で、お客様からは心配の声が出てきましたので、
私が平成5年以降から行なってる簡単な《チェック法》を公開します。

誰にでも出来る、私のチェック法

① 先ず、以下の基礎知識を覚えて下さい。
  これが判断基準の重要事項となります。

5月に田植えをした東北・関東甲信越において、6月末~7月の「イネの生育ステージ (期間)」を専門用語で言うと「幼穂形成始期から減数分裂期」に該当します。

この期間は、イネの茎の生長点に穂の元となる幼穂 や 花粉が作られます。
つまり “お米の赤ちゃん” が育つ大事な時なので、低温にもっとも弱い時期となります。
平均気温が20℃以下、また夜温(最低気温)で17℃以下の日が続くと、「えい花」 や
「花粉」が障害を受けて不稔(実がならない)になります。
《 えい花 》とは イネの花のことで、それが「一粒一粒 の 籾(モミ)」になります。
と いう事で、これらの点をしっかり覚えておいて下さい。

尚、低温が続いた時の一般的な対策は、イネの幼穂を保護する為に田んぼの水を深くする
“深水管理” です。
深水の目安は、幼穂形成期(出穂前 20~25日)で10㎝以上。
減数分裂期(出穂前 8~15日)で15~20㎝以上と言われています。

② 私が行なっている “チェック法”

一般紙の新聞の社会面に全国のお天気が載っていますので、毎日切り抜きします。
私はこれをハガキ用のファイルに入れ、5~9月分を保存します。

右記は、
令和元年 7/6 ~ 7/13分のページ

左記は、令和元年 7月7日(七夕)の切り抜き。

私はこのお天気情報をそのままファイルに入れる
のでは無く、平年との気温差をチェックし、目視で見易くするため蛍光ペンで色付けしてからファイルに保存します。

平年との温度差の色分けは、最高気温・最低気温双方とも下記の通りです。

平年との差が  +4℃以上は ピンク色

平年との差が  -4℃ ~ -4.9℃は 黄色

平年との差が  -5℃以下は 水色

【補足】一番右列の水色は「雨」をチェックする

★☆ ここで一番の重要ポイントは、黄色・水色で色分けした温度 ☆★

何故なら、①で述べたように平均気温が20℃以下、夜温(最低気温)が17℃以下の日が長く続くと不稔(実がならない)となる恐れがあり、イネの生育に要注意となるからです。

③ 結論 ‥ 現時点 7/18 において、令和元年産のお米はどう判断すれば良いか?

色付けした黄色・水色の温度を詳しく見ると、平年より -5℃以下の日が多くあるけれど、その時の最高気温が20℃以下の日が数日間続く所は殆どありません。
また、提携生産者に天候や稲の様子を尋ねたり、生育チェックを兼ねて店の脇に設置した “ミニ田んぼ ”(本文初めの写真、7/20 現在の苗丈 90cm)などを加味して考えると、
「令和元年産のお米に関して、現時点においては冷夏の状況では無い」と思います。

但し、都心では20日連続で日照時間が3時間に満たない日が更新され、梅雨明けが遅れ、東日本を中心に続く今年の日照不足は初めての事象なので、お米への影響は予測がつきません。
なので、日照不足で生育が遅れて価格が高騰している野菜・果実同様、お米も自然相手で光合成により育つ作物なので、どんな品質で収穫されるのかという不安はあります。
けれど「出穂~開花~成熟へと進む お米の生育ステージ」は 未だこれからです。

農家さんと話をすると “お天道様次第” とよく聞かされますが、天候に恵まれることが何よりです。
異常気象と言われる今日、生・消ともに常に天候への注意を心掛けて行きましょう。

④ 今後の おコメ生育ステージ、そして注意点

田んぼに植えた “イネの苗” 。

7月下旬までは
「体をつくる “穂づくり期間” 」でしたが、

8月からは
「おコメの子孫をつくる “結実期” 」という
 生育ステージに入ります。

良い機会ですので、少し詳しく、またおコメに
影響する事項などを含め説明させて頂きます。
      (事例は、関東甲信越・南東北) 

7月下旬  穂ばらみ期‥‥ 幼穂が徐々に大きくなる期間 (出穂6日位前)  

8月上旬~  出穂期 ‥‥ 穂が出始める期間
 〃〃    開花期 ‥‥ 穂が出て、花が咲く期間 (開花の適温は30℃)

9月下旬~  成熟期 ‥‥ 稲刈り(収穫)

敵期刈取日の目安について

玄米の光沢を良くし、品質を高めるためには適期に刈り取ることが重要なのですが、
農家さんは何を目安にして稲刈りを始めるのでしょうか。
経験からと言うのもあるでしょうが、以下の3点を目安にしている様です。

          ①  出穂してから     40 ~ 50日後
          ②  出穂後の積算温度  950 ~ 1100度
          ③  稲の葉色を見る   色落したら


結実期の注意点

低温

お分かりの様に、8~9月は穂が出て花が咲きモミの中に実が入る時期(=結実期)です。
①と同じく低温に注意しなければなりません。
繰り返しますが、平均気温が20℃以下、夜温(最低気温)が17℃以下の日が続くと、 結実期では「不稔モミ」(モミの中に実が入らない)が多く発生します。

高温(猛暑)

もともと亜熱帯性の植物ですので、暑さには強いです。
しかし、昨年(平成30)のような猛暑となると影響がでます。

お米は出穂後20日間のあいだ長く高温に晒されると、白未熟粒(お米の一部が白くなる)が発生し易くなります。
白未熟粒の味は変わりませんが、大量に発生すると規格外というお米になり、農家の収入は大きく減ります。

台風

更に、9月は台風の時期ですので、発生したら台風情報を収集して注意します。
自然の力には逆らえないですが、田んぼが冠水したり、稲が倒れるなどがあると
品質や収量に影響が出てしまいます。
また、病気の発生が懸念されます。

★★☆☆
  最後までお読み下さり、ありがとうございました。
  長い説明になってしまいましたが、お役に立てましたでしょうか。

  そして、私たちの食卓に上る “美味しい農産物の背景” には、自然を相手に
  頑張っている “農家さんが居る” という事に気が付いて下されば幸いです。

  今後ともよろしくお願い致します。 

ミニ田んぼ、今年も お米を育てています。

東京・亀戸の「ミニ田んぼ」

今年の田植えは 5月12日 、
例年通り コシヒカリ を植えました。
(左側の田は 苗1本 で植え、
  右側の田は 苗2本 で植える) 

“七夕” の今日、苗丈を測ると 85 cm
あり、順調に成長していました。

例年 8月10日頃 “稲の穂” が出穂し、
その後『白色のコメの花』が咲きます。
今年は涼しいので、少し遅れるかも
知れません。

一度は食べて頂きたい、オリジナル米 ‼

  煌(きらめき) Mix Rice


煌(きらめき)は、1996年 (平成8年) 11月17日 に江東区総合区民センターで開催した『 生産者と消費者の集い  96” 収穫祭 』 の イベントで行なった “提携米 の 目隠しテスト試食会” から誕生したお米です。

≪誕生秘話≫ 

当日は調理室と研修室を借り切り、準備したお米は下記の3点

  •  ① 「あいづ農園さんの  コシヒカリ 100 % 」 の 単一銘柄米
  •  ② 「あいづ農園さんの ひとめぼれ 100 % 」 の 単一銘柄米
  •  ③ 「①の コシヒカリ 70 % + ②の ひとめぼれ 30 % 」の ブレンド米

調理室で洗米・浸水 など下準備し、3つの炊飯器で同時に炊飯しました。
そして炊き上がり後、参加者の方々にはお米の内容を伝えず①②③其々を試食して頂き、3点の中でどれが一番美味しいと思ったかを回答して頂きました。


試食 結果】 半数以上の方が一番美味しいと答えたお米は、③のブレンド米。
        内容を明らかにすると、参加者から驚きの声が上がりました。

こうしたことから戸辺米穀店ではこの結果に自信を持ち、この年の秋から ③ のお米を Mix Rice(ミックスライス) として販売する 《誕生させる》 ことに致しました。
「滑らかで、しっとりとした食感の味」のお米を是非お楽しみ下さい。

【Mixの割合】  基本は70% + 30% ですが、その年の天候によりお米の品質が異なりますので、その年の出来によりMixの割合を変更する場合があります。

平成30年産は、「コシヒカリ 80% + ひとめぼれ 20%」 に変えましたが、
新しい元号の年に収穫される 令和元年産 の Mix Rice(ミックスライス)のお米の割合は、出来具合を試食してからMixの割合を決めます。

☆★☆★  Mix Rice(ミックスライス )については、戸辺米穀店の米屋としての想いがあります。

詳しくは、戸辺米穀店 HPの “私の想い” の中に記載した 《地域を農家を丸ごと食べよう-(b) 良い意味でのお米のブレンド=「こめ屋の合わせ技」》 こちら をご覧下さい。


ご購入は こちら から


そもそも有機の本来の目的って?

ここ何回かのコラムの中で有機JASマークについて触れてきました(※1※2
今回は、そもそもの有機の本来の目的ってなんだろう という事をまとめました。
少し難しい話になりますが、お付き合いください。

日本の有機規格ができた経緯

以前、日本では有機食品についての統一の基準が定められてなかったため、様々な方法で生産されたものが有機として流通していました。
そのため、消費者の方々は何を基準にして選択すれば良いのか困っていました。
そうした中、国内での基準・制定作りが始まり、日本の有機は下記A〜Cのように諸外国と相互承認される規格で定められました。
デパートや自然食品店などで外国から輸入された有機食品に有機JASマークが貼付されているのを見かけた事があると思いますが、それにはこうした同一の有機規格という理由があるからなのです。
A) 制度の創設
1999年(平成11) に JAS法 (農林物資の規格化 及び 品質表示の適正化に関する法律) が改正され、コーデックスガイドライン(※3)に準拠した 「有機食品の検査認証制度」が創設されました。
※3 FOA(国際食糧農業機関)と WHO(世界保健機関)が合同で運営している 「コーデックス委員会」(食品規格の国際的な政府機関) が定めた “ 国際食品規格 ” のこと

B) 有機JAS規格の制定
 上記制度の創設に伴い2000(平成12)年 1月、“日本農林規格 (農林水産物 及び その加工食品の品質を保証する規格)” に 「有機食品のJAS規格 (有機JAS)」 が制定され、この中で有機食品の生産の方法についての基準等が定められました。
これでやっと日本の有機も明確になったのです。

C) 有機認証制度の諸外国との相互承認
 コーデックスガイドラインに準拠した我が国の “有機JAS” は、“国際食品規格 と同一の有機規格” です。従って、同水準の有機認証について他国の制度を自国の制度と同等と認め、国家間で相互に取り扱うという取り決めがあります。
(現在の相互承認国は、アメリカ・アルゼンチン・オーストラリア・カナダ・スイス・ニュージーランド・EU)

有機の本来の意義について

有機規格の中で食品としての有機 (有機食品) を大別すると、
  ・有機農産物
  ・有機農産物加工食品
  ・有機畜産物
の3つが あります。 そして、それぞれに対し、
  ・有機農産物の日本農林規格
  ・有機農産物加工食品の日本農林規格
  ・有機畜産物の日本農林規格
という有機JASの規格があり、
そこには “生産の原則” (下記) や “生産の方法についての基準” などが
厳しく定められております。
この生産の原則の中に有機本来の意義が制定されているのです。
<有機農産物 の生産の原則>

農業の自然循環機能の増進を図るため、化学的に合成された肥料 及び 農薬の使用を避けることを基本とし、また遺伝子組み換え技術に頼らず、土や自然の力を活かして生産し、環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用した”ほ場”において生産すること。
難しく書かれていて分かりにくいですが、
 「環境負荷を少ない方法を率先して使う事で、次の世代に地球を残していこう」
というのが私なりの解釈です。
つまり、環境負荷の少ない栽培方法だからこそ体に良い訳であって、それは本来の目的ではないと思う訳です。(誤:有機農産物=体に良い 、 正:有機農産物=地球環境に良い)
また、生産の原則の中に出てくる「自然循環機能の増進」という言葉が分かりにくさの原因と思います。 こちらについては 1999年から有機農産物の認定を受けている大竹さんの話が分かりやすいと思いますので、興味のある方は こちら を参照にして見てください。
 
つらつらと書きましたが、本日は以上になります。
少しでもご参考になればと思います。

目で見て分かる”有機JASのお米”と”有機でないお米”

これまで有機農産物の表記について文章で説明をしてきました。
今日はポイントについて、目で見てわかる絵でまとめてみましたのでご紹介します。
 

クイズ 正しい表記はどれ?

下に“有機JASのお米” と “有機でないお米” が2つ並んでいます。
表記で間違っているところが3つあるのですが、皆さん分かりますか?
左側のお米は ”有機JASのお米” 、右側は ”有機でないお米” を示しています。
間違いは 右側の ”有機でないお米” の3つの表記になります。
  ”有機JASマーク” の貼り付けが無い
  ラベルの「名称」 に ”有機” 精米 と記載している
  ”無農薬米” コシヒカリ と 記載している
おさらいになりますが、有機農産物を販売するときのポイントは以下の3つで
 1.認定された生産者が作った農産物
 2.認定された生産者・小分け業者・製造業者のみが有機JASマークを貼り付け可能
 3.有機JAS規格に適合しないと「有機○○」や「オーガニック○○」の表記禁止
今回のクイズの場合、3つ目のルールに違反していることになります。

目で見てわかるポイントは2つ

先ほどのクイズの場合、正しい表記をすると以下のようになります。
目で見てわかるポイントを表にまとめました。
いかがでしたでしょうか?
店頭に並んでいる商品を買う時の参考になればと思います。

有機JASマークの知っておくべき3つのポイント

稲穂

”有機食品”の食品表示 これって本物?

 皆さんはスーパーや食料品売り場で「有機○○」や「オーガニック○○」という表示をした”有機食品”を目にした時に、どのような印象を受けるでしょうか。
 ・農薬が使われていないもの
 ・割高だけど安全な食品
のようなイメージが一般的だと思います。
と同時に、『これって本物? 何を基準に選べば良いの』 と迷う消費者も多いのではないでしょうか。
 そこで今回は、法律に定められた『有機の規格』 について、知っておくべきポイントを書こうと思います。

そもそも有機の規格って?

 ポイントについて書いていく前に、有機(有機食品)の規格がどのようなものか少し触れさせてもらいます。
 有機食品は規格に準拠している証として『有機JASマーク』をつけることが許されます。
これが 『有機JASマーク』 です。 このマークが無い農産物と農産物加工食品に、
  ・有機
  ・オーガニック
などの名称の表示や、これと紛らわしい表示をすることは法律で禁止されています。
『 FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)により設置された国際的な政府間機関であるコーデックス委員会が定めた国際食品規格 』に我が国が合わせ、準拠・制定された「有機食品検査認証制度」の中で厳しく定められています。
 有機農産物の日本農林規格(H28年2月24日版)で厳しく定められた生産方法により栽培されたお米や野菜などを有機JAS農産物といい、有機JASマークの添付が法的に義務付けられています。
法的に義務付けられているがゆえに、難しい表現になっているのでポイントをまとめてみました。

 

知っておくべき3つのポイント

 この分かりにくい有機JASの規格の知っておくべきポイントは以下の3つになります。
  ① 認定された生産者が作った農産物
  ② 認定された生産者・小分け業者・製造業者のみが
    有機JASマークを貼り付け可能
  ③ 有機JAS規格に適合しないと
   「有機○○」や「オーガニック○○」の表記禁止
説明のために有機食品検査認定制度を以下のよう図にまとめました。
農林水産大臣より有機JAS規格に適合していることを認定できる機関が「登録認定機関」と呼ばれ、この登録認定機関は3つの業者について認定する権限が与えられています。
 1番大事なのは、「有機農産物」を直接作っている『生産農家が登録機関より認定を受けている必要』があります。この認定というのが非常に厳しく管理されており、田や畑、種や苗、保管や採取などの全ての管理行程において、通常の農薬を使用したものと分けて管理・記録する必要があります。なので、認定された生産者が作った農産物 というのがポイントの1つ目となります。

 

 次に、有機農産物には「有機JASマーク」が貼り付けられていることが法的に義務付けられています。 消費者に渡る過程をみてみると直接生産農家から消費者に売られる場合を除いて、必ず『製造業者もしくは小分け業者を通らないと有機農産物は流通しない』ことになっています。(上図の緑色の線)
 この製造業者と小分け業者も有機農産物を取り扱うには登録機関より認定されている必要があります。 理由は簡単で、生産農家と同様に農薬を使用した農産物と分けて管理していないと、せっかく厳しく育てられた農産物に農薬が混入する可能性があるからです。 その為、製造業者や小分け業者は、有機農産物の取扱資格があるからこそ 認定された生産者・小分け業者・製造業者のみが有機JASマークを貼り付け可能 というのが 2つ目のポイントになります。

 

 最後に、何度も触れていますが 有機JAS規格に適合しないと「有機○○」や「オーガニック○○」の表記禁止 というのが3つ目のポイントとなります。
 製造業者や小分け業者は、認定機関の承認を得ている生産農家の有機農産物を流通から保管・製造管理ができて初めて「有機○○」や「オーガニック」といった表記の使用が許されています。 有機JASの規格を満たさない(適合しない) お米や食品に 「有機○○」 や 「オーガニック」の表示は禁止違反した場合は、農林水産省の命令で表示を除去しなければならず、農林水産省の命令に違反した場合は、50万円以下の罰金が課せられてます。 しかし、平成11年の有機JAS法の改定から20年近く立っていますが、消費者の方に対する表示の注意喚起は十分でないように感じています。 買い物の時に、有機JASマークはあるかな?と少しでも参考になれば幸いです。

 

戸辺米穀店では『有機農産物認定小分け業者』の資格を取得し有機農産物である大竹さんのお米皆様にお届けしております。

生産者との直接取引きのお米の「利点と欠点」

稲穂

当店では農家さんから直接取引しているお米 “提携米” を1985(昭60)年頃より扱っています。
今日は、その利点と欠点や当店の直接取引の始まった経緯について書きたいと思います。

【 利点】
親交を深めた生産者の家族も食べているお米です。(安心・安全の保障)
同じ田んぼで栽培されたお米が届くので、食味にムラの無いお米が届きます。
使用数量を年間契約しているので、安定生産・安定供給が図れるお米です。
お米の価格は、生産者がこれからも作り続けられる価格(再生産可能な価格)を話し合って決めるので、市場価格のように上がったり下がったりせず、原則毎年同じ価格です。

【 欠点 】
収穫前に年間使用数量を事前契約しなければならない。
(契約後のキャンセルは不可)
再生産可能な価格が契約価格ですので、小売り価格は市場価格より高値になります。
運搬費を極力抑えるため、一括まとめの大量仕入が必要となる。

 

当店の “直接取引” の始まり

米・麦などの食糧が国の管理・統制 (国家による食糧の一元一括管理体制) のもとにあり 生産者と直接取引する事が出来なかった 「食糧管理法」 の時代(~ 平成7)がありました。
しかし、“自分の目で確かめたお米を何とかお客様に食べて頂きたい”との思いから、当店では この食糧管理法のなかで位置づけられた自主流通米制度を利用し、“産地” や “生産者” を “逆指名” する手法によりお米の仕入れが出来る方法を考えました。 そして1985(昭和60)年頃より逆指名のお米が入荷可能となり、これを機に自分の目で確かめた お米をお客様にお届けすることが出来るようになりました。
尚、「逆指名して入荷したお米」 とは今で言う 「生産者との直接取引きのお米」 という事になり ますが、当時は厳格に管理された食糧管理法があり、またそのような前例も無く、とても大変な 作業でした。 けれど、ふと時間を遡ってみると、それは今ある当店の原点であり、「農家さんの生産意欲」 そして 「消費者への安心・安全」 に応える第一歩でした。
その後「食糧管理法」は改正され、1995(平成7)年 11月に 「食糧法」 となり制定されました。 政府米(備蓄米・輸入米) と 自主流通米 は 『計画流通米』 として扱われ、今まで違法とされ てきた米 (自由米・ヤミ米など) は 『計画外流通米』 として認められました。
「食糧法」は更に改正され、2004(平成16)年 4月 『新食糧法』 となり制定されました。
計画流通米 と 計画外流通米 の区別がなくなり、政府米(備蓄米・輸入米) と 民間流通米 の 2種類になり、そしてコメの流通はほぼ自由化され現在に至っています。