レジ袋有料化の意味

レジ袋の有料化が浸透してきていますが、当店では有料化の対象とならないバイオマス配合のレジ袋を使うことで、今まで通り 無料 で提供しています。

レジ袋の有料化の意味が、自店のコスト削減が目的になってしまっている企業が多いので、あえて投稿します。
バイオマス配合や紙袋を使えば、有料化しなくても良いのが今の規制です。

本当の意味での持続可能な社会が実現しますように。

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新米の入荷状況

11/4、11/5と新米が入荷し、福島県喜多方市・大竹さん、埼玉県鴻巣市・特別栽培米部会さんの新米が入荷しました。

これで全ての新米が入荷しました。
次回は食味した結果を報告できればと考えています。

令和3年度 福島県喜多方市・大竹久雄さんの田んぼ

先日、提携先の様子と新米の販売開始時期をまとめた形でご報告しましたが、収穫前の田んぼの様子を連絡いただいていますので、各農家さんの写真と共に改めて共有しておきます。

大竹さんのコメント

今のところ、有機無農薬米の生育に問題は無く、稲穂は頭を下げ垂れてきている。
しかし、9月に入り低温となり7日間も寒い日が続くのは初めての経験なので、今後お米の登熟がどうなるのか分からないという状況の下で田んぼの稲を見ています。

大竹さんのご夫妻

新米の販売開始は 11/8頃 を予定しています。

そもそも有機の本来の目的って?

ここ何回かのコラムの中で有機JASマークについて触れてきました(※1※2
今回は、そもそもの有機の本来の目的ってなんだろう という事をまとめました。
少し難しい話になりますが、お付き合いください。

日本の有機規格ができた経緯

以前、日本では有機食品についての統一の基準が定められてなかったため、様々な方法で生産されたものが有機として流通していました。
そのため、消費者の方々は何を基準にして選択すれば良いのか困っていました。
そうした中、国内での基準・制定作りが始まり、日本の有機は下記A〜Cのように諸外国と相互承認される規格で定められました。
デパートや自然食品店などで外国から輸入された有機食品に有機JASマークが貼付されているのを見かけた事があると思いますが、それにはこうした同一の有機規格という理由があるからなのです。
A) 制度の創設
1999年(平成11) に JAS法 (農林物資の規格化 及び 品質表示の適正化に関する法律) が改正され、コーデックスガイドライン(※3)に準拠した 「有機食品の検査認証制度」が創設されました。
※3 FOA(国際食糧農業機関)と WHO(世界保健機関)が合同で運営している 「コーデックス委員会」(食品規格の国際的な政府機関) が定めた “ 国際食品規格 ” のこと

B) 有機JAS規格の制定
 上記制度の創設に伴い2000(平成12)年 1月、“日本農林規格 (農林水産物 及び その加工食品の品質を保証する規格)” に 「有機食品のJAS規格 (有機JAS)」 が制定され、この中で有機食品の生産の方法についての基準等が定められました。
これでやっと日本の有機も明確になったのです。

C) 有機認証制度の諸外国との相互承認
 コーデックスガイドラインに準拠した我が国の “有機JAS” は、“国際食品規格 と同一の有機規格” です。従って、同水準の有機認証について他国の制度を自国の制度と同等と認め、国家間で相互に取り扱うという取り決めがあります。
(現在の相互承認国は、アメリカ・アルゼンチン・オーストラリア・カナダ・スイス・ニュージーランド・EU)

有機の本来の意義について

有機規格の中で食品としての有機 (有機食品) を大別すると、
  ・有機農産物
  ・有機農産物加工食品
  ・有機畜産物
の3つが あります。 そして、それぞれに対し、
  ・有機農産物の日本農林規格
  ・有機農産物加工食品の日本農林規格
  ・有機畜産物の日本農林規格
という有機JASの規格があり、
そこには “生産の原則” (下記) や “生産の方法についての基準” などが
厳しく定められております。
この生産の原則の中に有機本来の意義が制定されているのです。
<有機農産物 の生産の原則>

農業の自然循環機能の増進を図るため、化学的に合成された肥料 及び 農薬の使用を避けることを基本とし、また遺伝子組み換え技術に頼らず、土や自然の力を活かして生産し、環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用した”ほ場”において生産すること。
難しく書かれていて分かりにくいですが、
 「環境負荷を少ない方法を率先して使う事で、次の世代に地球を残していこう」
というのが私なりの解釈です。
つまり、環境負荷の少ない栽培方法だからこそ体に良い訳であって、それは本来の目的ではないと思う訳です。(誤:有機農産物=体に良い 、 正:有機農産物=地球環境に良い)
また、生産の原則の中に出てくる「自然循環機能の増進」という言葉が分かりにくさの原因と思います。 こちらについては 1999年から有機農産物の認定を受けている大竹さんの話が分かりやすいと思いますので、興味のある方は こちら を参照にして見てください。
 
つらつらと書きましたが、本日は以上になります。
少しでもご参考になればと思います。

目で見て分かる”有機JASのお米”と”有機でないお米”

これまで有機農産物の表記について文章で説明をしてきました。
今日はポイントについて、目で見てわかる絵でまとめてみましたのでご紹介します。
 

クイズ 正しい表記はどれ?

下に“有機JASのお米” と “有機でないお米” が2つ並んでいます。
表記で間違っているところが3つあるのですが、皆さん分かりますか?
左側のお米は ”有機JASのお米” 、右側は ”有機でないお米” を示しています。
間違いは 右側の ”有機でないお米” の3つの表記になります。
  ”有機JASマーク” の貼り付けが無い
  ラベルの「名称」 に ”有機” 精米 と記載している
  ”無農薬米” コシヒカリ と 記載している
おさらいになりますが、有機農産物を販売するときのポイントは以下の3つで
 1.認定された生産者が作った農産物
 2.認定された生産者・小分け業者・製造業者のみが有機JASマークを貼り付け可能
 3.有機JAS規格に適合しないと「有機○○」や「オーガニック○○」の表記禁止
今回のクイズの場合、3つ目のルールに違反していることになります。

目で見てわかるポイントは2つ

先ほどのクイズの場合、正しい表記をすると以下のようになります。
目で見てわかるポイントを表にまとめました。
いかがでしたでしょうか?
店頭に並んでいる商品を買う時の参考になればと思います。

有機JASマークの知っておくべき3つのポイント

稲穂

”有機食品”の食品表示 これって本物?

 皆さんはスーパーや食料品売り場で「有機○○」や「オーガニック○○」という表示をした”有機食品”を目にした時に、どのような印象を受けるでしょうか。
 ・農薬が使われていないもの
 ・割高だけど安全な食品
のようなイメージが一般的だと思います。
と同時に、『これって本物? 何を基準に選べば良いの』 と迷う消費者も多いのではないでしょうか。
 そこで今回は、法律に定められた『有機の規格』 について、知っておくべきポイントを書こうと思います。

そもそも有機の規格って?

 ポイントについて書いていく前に、有機(有機食品)の規格がどのようなものか少し触れさせてもらいます。
 有機食品は規格に準拠している証として『有機JASマーク』をつけることが許されます。
これが 『有機JASマーク』 です。 このマークが無い農産物と農産物加工食品に、
  ・有機
  ・オーガニック
などの名称の表示や、これと紛らわしい表示をすることは法律で禁止されています。
『 FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)により設置された国際的な政府間機関であるコーデックス委員会が定めた国際食品規格 』に我が国が合わせ、準拠・制定された「有機食品検査認証制度」の中で厳しく定められています。
 有機農産物の日本農林規格(H28年2月24日版)で厳しく定められた生産方法により栽培されたお米や野菜などを有機JAS農産物といい、有機JASマークの添付が法的に義務付けられています。
法的に義務付けられているがゆえに、難しい表現になっているのでポイントをまとめてみました。

 

知っておくべき3つのポイント

 この分かりにくい有機JASの規格の知っておくべきポイントは以下の3つになります。
  ① 認定された生産者が作った農産物
  ② 認定された生産者・小分け業者・製造業者のみが
    有機JASマークを貼り付け可能
  ③ 有機JAS規格に適合しないと
   「有機○○」や「オーガニック○○」の表記禁止
説明のために有機食品検査認定制度を以下のよう図にまとめました。
農林水産大臣より有機JAS規格に適合していることを認定できる機関が「登録認定機関」と呼ばれ、この登録認定機関は3つの業者について認定する権限が与えられています。
 1番大事なのは、「有機農産物」を直接作っている『生産農家が登録機関より認定を受けている必要』があります。この認定というのが非常に厳しく管理されており、田や畑、種や苗、保管や採取などの全ての管理行程において、通常の農薬を使用したものと分けて管理・記録する必要があります。なので、認定された生産者が作った農産物 というのがポイントの1つ目となります。

 

 次に、有機農産物には「有機JASマーク」が貼り付けられていることが法的に義務付けられています。 消費者に渡る過程をみてみると直接生産農家から消費者に売られる場合を除いて、必ず『製造業者もしくは小分け業者を通らないと有機農産物は流通しない』ことになっています。(上図の緑色の線)
 この製造業者と小分け業者も有機農産物を取り扱うには登録機関より認定されている必要があります。 理由は簡単で、生産農家と同様に農薬を使用した農産物と分けて管理していないと、せっかく厳しく育てられた農産物に農薬が混入する可能性があるからです。 その為、製造業者や小分け業者は、有機農産物の取扱資格があるからこそ 認定された生産者・小分け業者・製造業者のみが有機JASマークを貼り付け可能 というのが 2つ目のポイントになります。

 

 最後に、何度も触れていますが 有機JAS規格に適合しないと「有機○○」や「オーガニック○○」の表記禁止 というのが3つ目のポイントとなります。
 製造業者や小分け業者は、認定機関の承認を得ている生産農家の有機農産物を流通から保管・製造管理ができて初めて「有機○○」や「オーガニック」といった表記の使用が許されています。 有機JASの規格を満たさない(適合しない) お米や食品に 「有機○○」 や 「オーガニック」の表示は禁止違反した場合は、農林水産省の命令で表示を除去しなければならず、農林水産省の命令に違反した場合は、50万円以下の罰金が課せられてます。 しかし、平成11年の有機JAS法の改定から20年近く立っていますが、消費者の方に対する表示の注意喚起は十分でないように感じています。 買い物の時に、有機JASマークはあるかな?と少しでも参考になれば幸いです。

 

戸辺米穀店では『有機農産物認定小分け業者』の資格を取得し有機農産物である大竹さんのお米皆様にお届けしております。

生産者との直接取引きのお米の「利点と欠点」

稲穂

当店では農家さんから直接取引しているお米 “提携米” を1985(昭60)年頃より扱っています。
今日は、その利点と欠点や当店の直接取引の始まった経緯について書きたいと思います。

【 利点】
親交を深めた生産者の家族も食べているお米です。(安心・安全の保障)
同じ田んぼで栽培されたお米が届くので、食味にムラの無いお米が届きます。
使用数量を年間契約しているので、安定生産・安定供給が図れるお米です。
お米の価格は、生産者がこれからも作り続けられる価格(再生産可能な価格)を話し合って決めるので、市場価格のように上がったり下がったりせず、原則毎年同じ価格です。

【 欠点 】
収穫前に年間使用数量を事前契約しなければならない。
(契約後のキャンセルは不可)
再生産可能な価格が契約価格ですので、小売り価格は市場価格より高値になります。
運搬費を極力抑えるため、一括まとめの大量仕入が必要となる。

 

当店の “直接取引” の始まり

米・麦などの食糧が国の管理・統制 (国家による食糧の一元一括管理体制) のもとにあり 生産者と直接取引する事が出来なかった 「食糧管理法」 の時代(~ 平成7)がありました。
しかし、“自分の目で確かめたお米を何とかお客様に食べて頂きたい”との思いから、当店では この食糧管理法のなかで位置づけられた自主流通米制度を利用し、“産地” や “生産者” を “逆指名” する手法によりお米の仕入れが出来る方法を考えました。 そして1985(昭和60)年頃より逆指名のお米が入荷可能となり、これを機に自分の目で確かめた お米をお客様にお届けすることが出来るようになりました。
尚、「逆指名して入荷したお米」 とは今で言う 「生産者との直接取引きのお米」 という事になり ますが、当時は厳格に管理された食糧管理法があり、またそのような前例も無く、とても大変な 作業でした。 けれど、ふと時間を遡ってみると、それは今ある当店の原点であり、「農家さんの生産意欲」 そして 「消費者への安心・安全」 に応える第一歩でした。
その後「食糧管理法」は改正され、1995(平成7)年 11月に 「食糧法」 となり制定されました。 政府米(備蓄米・輸入米) と 自主流通米 は 『計画流通米』 として扱われ、今まで違法とされ てきた米 (自由米・ヤミ米など) は 『計画外流通米』 として認められました。
「食糧法」は更に改正され、2004(平成16)年 4月 『新食糧法』 となり制定されました。
計画流通米 と 計画外流通米 の区別がなくなり、政府米(備蓄米・輸入米) と 民間流通米 の 2種類になり、そしてコメの流通はほぼ自由化され現在に至っています。