暑さに強い 「高温耐性品種のお米」

気象庁は、今年2023年(令和5)3月の平均気温は41都道府県で過去最高となり、観測史上最も暖かい3月と発表しました。さらに4月の平均気温も東北と北日本は1946年の統計開始以来、4月としては83年と並ぶ最高記録となったと発表しました。
いまから今夏の暑さが心配されますが、温暖化の影響は既に我が国の農業・水産業に顕著に現れています。
水産業では、海水温の上昇により魚の回遊やノリ・ホタテの養殖に大きな影響を及ぼしています。果樹では、リンゴ・ブドウの着色不良やミカンの浮き皮・日焼けが、そして畜産では乳用牛の乳量や鶏の産卵率の低下等々が指摘されています。

水稲(米)も同様で、登熟期の暑さなどが影響して白未熟粒や胴割れ粒など品質の低下したお米が各地で表面化し、温暖化による高温障害が深刻な問題となっています。
当店で取扱う提携米においても令和元年産の新潟県産コシヒカリで、その翌年の令和2年産には福島県産のコシヒカリで高温障害の影響が見られ、被害はもう既に身近に起きていると実感させられました。

今までの水稲の育種・開発を振り返ってみますと、寒さに対応した品種改良や低タンパク質化・低アミロース化を推進してきたように思います。
そしてその後、温暖化の影響が見られ始めてからは各県で暑さに強く障害が起きにくいお米=高温耐性品種への開発が進められ、導入産地では栽培技術の普及に取り組んでいます。
品種別に見ますと、主食用では「にこまる」・「つや姫」・「きぬむすめ」・「おいでまい」・「彩のきずな」等々数多くデビューしています。
また主食用では無いのですが、日本酒を造る時に使用する “酒造好適米(酒米)” にも高温耐性品種が開発されているようです。

こうした温暖化状況下において、現在当店で取扱う「暑さに強く障害が起きにくい “高温耐性品種のお米” 」は、① 山形・南陽おいしいお米の会の「つや姫」と ② 富山・黒部 林さんの「富富富(ふふふ)」の2品種で、双方とも食味が良くお勧めのお米です。

尚、当店HP “富山・林さん” の紹介ページにおいて “富富富(ふふふ)” を開発した富山県農業研究所のインタビュー動画 「気候変動に負けない強い米」がご覧頂けます。
研究者の情熱と開発の意義が伝わる必見動画です。是非ご一見下さい。