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お米の虫(コクゾウムシ)

 米びつの中で見かける黒い虫をコクゾウムシ(穀象虫)と言います。
貯穀象虫の一種で、体長4〜5mmの成虫は象鼻状の細長い口吻(こうふん)を持ち、 体色は国褐色をしています。
特徴あるゾウ(象)の鼻のような口で穴を開け、米粒一つに卵を一個産みつけます。 卵は0.6mmと小さく、米粒中に産み込まれるため目につかず、数日でふ化し、 米粒の中を食べながら一ヶ月ほど経つと成虫となり米粒から出てきます。 私達はこの虫を見かけるのです。 そして、またお米を食い散らし、卵を産みます。

 一般のご家庭でコクゾウムシを見かける理由は二つあります。
ひとつは、卵を産みつけられたお米は精米時の熱では死滅せず、見た目では 変わらないため途中で見つけられなかったことです。
もうひとつは、甲虫の一種であるコクゾウムシのお気に入りは台所のような 高温多湿の場所であるため、台所にこぼれたお米を見つけるとそこに卵を産みつけ、 増えた仲間が米びつなどのもっとお米のある場所に移動した可能性です。

コクゾウムシは米粒に穴を開け卵を産みつける虫ですが、そのほか、お米の表面に残る ヌカや胚芽に卵を産みつけるタイプの虫もいます。
そこで防虫の基本対策として、農家および流通業者においては米倉庫や精米所の 温度管理・清掃を徹底し、一般のご家庭においては台所やお米の保管場所をいつも 綺麗にするよう心掛けることです。 特に、計量米びつを使用しているご家庭では、梅雨に入る前の6月に、米びつから 米を計量するための部品を外しての分解掃除をお勧めします。

 ところで、コクゾウムシにやられたお米は食べられないの?とよく聞かれます。 そんなことはありませんので安心してお食べ下さい。 それより、逆に虫がつかないようなお米ですと薬を使っている可能性があるので、 黒い虫がいることは安全の証しなのかも‥‥‥。

【コメント】

この頁は、
『貯穀害虫・天敵図鑑』(独立行政法人・食品総合研究所)
「米びつの黒い虫はなーに」(日本農業新聞 2001年10月28日付け)

などからアレンジしたものです。

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