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3. 再生産可能へ向けて

(b) 農家が生活できなければ田畑の耕作放棄!一番困るのは誰?

 私たちのいのちの源である我が国の食の営みは、国土の持つ地的条件から小農的な 家族農業者の人たちによって支えられてきました。 それは、過去に生きたすべての人々の、 現代に生きるすべての人々の、 そして未来を生きるであろうすべての人々のいのちを守ってくれる大切な人達です。 しかし、彼ら農業者はコメや野菜などの農作物を作るだけの生産工場者ではなく、 私たちが家族と一緒に暮らしているように彼らも家族と一緒に暮らしています。 ですから収穫した農作物の出荷価格が安く抑えられ、収入が減り生活できなくなれば 農業者は自分たち家族のためだけに農作物を作り、それ以外の田畑は耕作を放棄してしまうでしょう。

 地球的規模での人口増加や異常気象、環境破壊等により世界的な食糧不足が予測されている中で、 我が国の農業者が耕作放棄して一番困るのは、実は自分たちでは作ることの出来ない都会の生活者(消費者)なのです。

 したがって、農業者の生産コストや生活を軽視し、市場原理に任せて相場のように変動する価格を取り入れ 一方的に決めるのではなく、「農業者の暮らしが成り立ち、来年も再来年も作り続けることが出来、 且つ消費者も安定した適正な価格で食べ続けることが出来る決め方・関係づくり」が農業者・生活者 (消費者)の双方の"いのち"と"暮らし"を守れる方法と思います。 さらにこうした関係は、安心して食べられる食の自給・地域社会や文化の維持等々、 それぞれのあるべき姿を見直し、モノと人と自然が調和する循環社会へと繋がることと思います。


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