雑草や害虫を駆除してくれる「合鴨」を田んぼに入れて、 農薬や化学肥料に頼らない米作りをしています。
(1) ご息子と協働、 合鴨と連帯した米作り 「合鴨米」
高校卒業後すぐに父親の下で働き始め一緒に農業を営んできた宮崎県 宮崎市の井野義美さんは、高齢化と後継者不足で増加する遊休農地が周辺地域にあることから農地を少しずつ増やしてきました。現在はご自身の歩みと同じく二人のご子息(長男・二男)が井野家に就農し、水稲を中心にして、転作作物の麦 や 飼料用の稲、そして きゅうり ・トマト ・ごぼう ・大葉などの野菜 を取り入れた大規模複合経営を進めています。 水稲は主にコシヒカリを作付け(10ha)。 平成3年(1991年)から米の無農薬栽培に取り組み、そのうちの 3haは 田んぼにアイガモを放ち雑草や害虫を取らせる米作りを実践し、収穫されたお米は合鴨米として出荷しています。 合鴨米作りは、“意識として減農薬稲作の技術と経験”がなければうまくいきません。 害虫に食われず病気に強い丈夫な苗を作り、一株2?3本、株と株の間が24?30?にして植えます。慣行栽培より苗数は半分、株間は倍です。これで風通しが良く、日当たりが良くなることで一本一本の稲がカッチリと育ち、虫にも食われず、病気も寄り付かない減農薬稲作の基本が合鴨米作り(合鴨水稲同時作)にピッタリなのです。 そうした技術と経験をもって毎日合鴨の田んぼへ餌やりに行って「元気かい」と声をかけ、時には合鴨の食べないヒエを手で取ります。合鴨は近くに寄って来て一緒に草取りや害虫退治をやります。畦からの餌やりだけでは生まれない連帯感がこのとき生まれるのです。
(2) 合鴨からのメッセージ (合鴨米の米袋より転載)
田植えが間近に迫った頃、生まれたばかりの僕達が届けられます。 僕達はこんな姿をしていて食欲旺盛。水浴びが大好きで、それが田んぼに入る練習になります。 田植え後、稲が丈夫になったら、いよいよ僕達の出番です。 田んぼの中は、僕達の楽園。 雑草や害虫やジャンボタニシ‥‥。み?んな僕達が食べてしまう。 それに、ウンチは肥料になるし、フルタイム田んぼを掻き回しているから稲も丈夫に育つ。 でも、野犬やキツネ、イタチ、カラスが僕達を狙っているし、それを知らずに僕達が田んぼから逃げ出したりしてお百姓さんに心配をかけています。 お米は僕達の大好物だから稲穂が出始めたら僕達の仕事も終わります。 合鴨米は無農薬有機栽培、地球に優しいのです。 このお米を買ってくれた貴方も環境保全に一役かっています。 また、僕達が育てた合鴨米は、アトピーやアレルギーで困っている家庭でも喜ばれていて、価格はお百姓さんの後継者が残れるような価格を目安に設定してあるので、お百姓さんも安心して米作りに専念できるし、皆さんもお百姓さんと共に合鴨米を育てていることになるのです。
僕達合鴨は、幸せを作り出す鳥。
合鴨米は、幸せを運ぶ米。
これからもどうぞよろしく!!